風のすみか農場 -活動日記-

神奈川県相模原市緑区にある「風のすみか農場」活動日記です!

大豆と枝豆とバカの壁

今年の大豆はカメムシにやられないだろうか?

6月27日に撒いた大豆が少しずつ育ってきた。

無防備に大豆を無農薬で育てようとすると9月ごろにカメムシにやられるのがお約束となっている。

 

去年はカメムシの心配をする前に、イノシシ(多分)にすべてなぎ倒され、みんなで悔しい思いをした。

今年はちゃんと電柵をはって獣害をおさえる。外部からくる獣から作物を守る命の壁になっている。パシフィック・リムか。

それはともかく、大豆の成長を見守る。

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大豆を作ってると当たり前のことすぎるんだけれど

大豆と枝豆の関係はどれだけ認識されているのだろう。

「”枝豆”は大豆の未熟果です」

枝豆を説明するときに言われるんだけれど、これを初めて聞いたとき

頭の中でちょっとしたコペルニクス的転回があって面白かった。

知らず識らずのうちによく目につく”枝豆”がこの作物の基準と思っていたけれど

”大豆”基準という視点で見ると”枝豆”は未熟な状態であるんだと。

大豆というゴールから見ると枝豆は道半ばなんだと。

 

だからといって”枝豆”と”大豆”の関係が変わるわけではないんだけれど

視点が増えた気がして少し嬉しかった。

 

 

その時になぜかふと「バカの壁」のことを思い出した。

バカの壁」とは2003年に出版された東京大学名誉教授の養老孟司氏の著書である。

400万部を超える大ベストセラーとなって社会現象になっていた。

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

 

まあ、売れに売れてどこの古本屋にも100円ぐらいで売っているので、まだ見たことない人はぜひ読んでほしい。要約すると

テレビの情報だけで「わかっている」と思い込む人々。そして人間は刻々と変わるものなのに、ありもしない「個性」を伸ばそうと躍起になる社会は「バカの壁」によって生み出されるのです。「バカの壁」とは、人間ひとりひとりが何かを理解しようとする時にぶつかる限界を指します。「話せばわかる」と信じてコミュニケーションを取り続けても上手くいかない場合、この「バカの壁」を誰しも持っているということを念頭に置くと、楽になれるかもしれません。

情報漬けの現代人こそ読んでおきたい『バカの壁』│キャリアカーバー

ということです。

冒頭、”はじめに”の部分には

 あるていど歳をとれば、人にはわからないことがあると思うのは、当然のことです。
しかし若いうちは可能性がありますから、自分にわからないかどうか、それがわからない。だからいろいろ悩むわけです。そのときに「バカの壁」はだれにでもあるのだということを思い出してもらえば、ひょっとすると気が楽になって、逆にわかるようになるかもしれません。そのわかり方は、世間の人が正解というのと、違うわかり方かもしれないけれど、もともと問題にはさまざまな解答があり得るのです。そうした複数の解を認める社会が私が考える住みよい社会です。でも多くの人は、反対に考えているようですね。ほとんどの人の意見が一致している社会がいい社会だ、と。
 若い人もそうかもしれない。なぜなら試験に正解のない問題を出したりすると、怒るからです。人生でぶつかる問題に、そもそも正解なんてない。とりあえずの答えがあるだけです。私はそう思っています。でもいまの学校で学ぶと、一つの問題に正解が一つというのが当然になってしまいます。本当にそうか、よく考えてもらいたい。

とある。

 

養老孟司氏の言うような「正解なんてない」ということを自分なり消化しようとするならば、とりあえず動いて行動して経験してみるのが一番だと思う。

 

私たちも若い人たちに対して農を通じた「新しい生き方・働き方」を考るなんて一緒に試行錯誤してやってはいるけれど、そこに答えがあるわけもない。

今の社会(世間とも言う)が当たり前に要求してくる働き方や生き方に違和感を持ってしまったら、もう自分で答えを見つけるまで動き続けるしかないと思う。

 

 

”大豆と枝豆”で”バカの壁”を思い出すのは私だけかもしれないですね。

大豆と全然関係ない話になってしまった。

つくっている品種とかの話はまたいつか。

 

ではまた。