風のすみか農場 -活動日記-

神奈川県相模原市緑区にある「風のすみか農場」活動日記です!

ライ麦畑で捕まえないで

 初夏になりました。草刈に苗の植え付けに種まきにと、忙しい時期です。
 この季節に研修生がいると、やることがいっぱいなのですが、世間と隔絶したような風のすみか農場も、何やかんやで大騒ぎの世間の影響を受けるので、今月はまだ新しい研修生の受け入れは出来ません。でも週1で若者を受け入れるプログラムを実施しており、先日はライ麦の収穫を行いました。収穫と言っても麦はまだ青々していて未熟です。このライ麦は畑の土壌改良用と、畑に敷く麦ワラ用とに育てたので、麦自体は使わないのです。
 サリンジャーの小説「ライ麦畑でつかまえて」の主人公は、「ライ麦畑で遊びに夢中になっている子供たちが崖から落ちそうになったら、それを捕まえる役の人」になりたいそうですが、このライ麦畑の周囲に崖はないので、そういう役の人は必要ありません。捕まえられても迷惑です。というわけで、みんなバインダーという機械を使ってライ麦を刈り取る仕事を体験してもらいました。街で生まれて普通に生きていたら、おそらく死ぬまで経験することがないであろうバインダーでの麦刈り。機械が自分で走ってくれるので、そんなに力も必要なく、みんな楽しんで刈っていたようです。

 

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 仕事に就けなかったり、世の中になじめない悩みを抱えていたり、すみか農場に来る若者の多くもある意味、崖っぷちから落っこちそうな思いなのかもしれません。農場研修は、崖っぷちに落っこちそうな自分を自分でつかまえられるようになることを目指す研修なのかもしれませんね。