風のすみか農場 -活動日記-

神奈川県相模原市緑区にある「風のすみか農場」活動日記です!

夏の終わりに間伐体験と棺桶作り

 9月は一度もブログの更新をしない内に、あっという間に10月!

 緊急事態やら何やらで暫くマルシェも中止になっていましたが、そんな中でも農場に来る研修生は細々と活動継続。
9月上旬には藤野にあるMossRock山で、皮むき間伐体験をしました。
ところで皮むき間伐とは何でしょう?ちょっと話が長くなりますが、お付き合い下さい。

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 戦後の復興期から高度経済成長期にかけ、日本の山にはスギやヒノキがたくさん植えられましたが、その後、木材輸入自由化などの影響を受けて林業は衰退。人が間伐をしない密植された人工林は、中に光が届かないので、植物が育ちません。むき出しの地面に雨が降ると土は流されてしまいます。そして、密植されたままヒョロヒョロに育った木々は根張りも浅いので、土を留める力も弱いのです。今の日本には、こんな手入れの行き届かない人工林だらけなので、大雨が降ると土砂崩れの原因になるし、スギ、ヒノキしか生えない森には動物の食べ物もありません。
そんなわけで、今の日本の山には間伐が必要な森がたくさんあるのですが、林業は衰退してしまいました。皮むき間伐は、そんな中で誰でも出来る間伐の方法として考え出されたもの。スギやヒノキは外側の皮を剥くと水や養分を吸い上げなくなってしまうので、枯れてしまうのです。
 今回研修生の受け入れをしてくれた、MossRock山の石毛さんは、木工職人でツリーハウスビルダー。皮むき間伐で自宅の裏山の森を蘇らせながら、森の中で立ち枯れさせた木を活用して家具などを作っています。
 研修生達は、慣れない山を歩く時や、皮を剥く時にすっ転んだりしつつ、普段都会暮らしの彼らにとっては非日常の体験を楽しんでました。皮むき体験の後は、古くなったツリーハウスの解体作業。木に登って、インパクトドライバーでツリーハウスをバラバラにしたり、バラした板を丸のこで更に細かくしたりしました。

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 参加者の一人は、ちょうど前日にDIY体験でベンチを作成し、初めて電動ドリルやインパクトドライバー、丸のこを使ったばかりだったので、思いがけず身につけた技術をすぐに活用できました。このベンチは研修生の卒業制作となり、風のすみか農場の玄関前に設置。中に荷物を収納できるようになっており、ちょうど人が入れる大きさですが、燃やしてしまうのはもったいないので棺桶としてのご利用は出来ません。板の隙間から光が漏れるので、太陽の光を浴びると死んでしまう方の日中の隠れ家にも向きません。当面ベンチ兼倉庫として活用されます。

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 畑も夏野菜はほぼ終了。終わった野菜を片付けて草を刈り、耕運機で全面耕し、畝を立て直して色々植えていきます。写真はネギを植えなおしているところ。現在、白菜、春菊、カブなど、たくさんの秋冬野菜が生育中です。10月からはマルシェも再開予定なので、よろしくお願い致します。

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